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初めて教会にいらっしゃる方々が抱く疑問を、いくつか取り上げました。
これを参考にしていただき、ぜひ一度教会に足を運んで下さることを祈っています。
もちろん、神父様や信徒に直接お尋ねいただいてもかまいません。


だれでも教会に行ってもよいのですか?

もちろん、遠慮なく教会へいらしてください。
生きがいや神の救いを求めている方々のために、教会の門はいつも開かれています。
教会は皆のためのものです。
なぜならば、人間は皆、神の子であるからです。
神は皆を愛しておられる方です。
あなたも、神から愛されています。
私たちは、毎週、日曜日になると教会に集まって神を礼拝し、教えを聞きます。
どうぞあなたも、私たちと一緒に神に祈り、教えを聞きに来てください。

教会を初めて訪ねた時は、どうしたらよいのですか?

教会の入口で、誰でもかまいませんから「初めてなのですが」と声をかけて下さい。
誰もが親切に聖堂まで案内してくれます。
聖堂に入ったら、空いている席についてください。
聖堂には、式の途中であっても、どなたでも自由に入れます。
中に入ったら周りの人と同じようにしましょう。
人が座る時には自分も座り、立つ時には自分も立つという具合です。
早いうちに神父様に自己紹介をなさるとよいですね。喜んで迎えてくれます。

神父とは、どういう人ですか?

神父様は、教会の指導者、神の道を教える人です。
ミサや他の礼拝を司式するので、「司祭」とも言われます。
皆のために祈り、信者を導き、教えを説くのです。
どなたでも気楽に神父に話し、いろいろな相談や悩みを打ち明けることができます。
神父の住まいは、教会のそばにある「司祭館」です。
自分のすべてを神と教会に捧げていますので、カトリックの神父は結婚をしません。
それは皆のお父さんになるためです。

神に何を祈ればよいのですか?

「苦しい時の神だのみ」という言葉がありますが、祈りは困った時だけのものではありません。
祈ることはまず、「神に感謝する」ことです。
あなたがいただいているすべての恵みを神に感謝しましょう。
命、身体、毎日の糧、自然の恵みなどは、すべて神からいただいているものです。
祈ることは「神を賛美する」ことです。
すべてのものの中に、神の知恵と偉大さを感じとって、神を賛美しましょう。
さらに、祈ることは「神にゆるしを願う」ことです。
たくさんの恵みを受けていながら神を忘れたり、自分勝手に振る舞ったりしたことを思い出し、
神にお詫びしましょう。
最後に、祈ることは、謙虚な気持ちで「神にお願いする」ことです。
あなたの悩みや必要なことを、神のみこころにゆだねてください。
神は私たちの幸せを望んでおられる方なのです。

神はどこにでもおられる方です。すなわち、祈る場所はどこでも結構です。
でも、教会の静かな雰囲気の中ならば、さらに落ち着いて祈ることができるでしょう。
平日でも、教会が開いている時はひとりで祈りに行ってもよいのです。
神に祈ることによって、あなたの心は安らぎを見いだすでしょう。

教会の中を説明してください

教会は、私たちがともに神に祈り、教えを聞く場所です。
そのために、皆が一緒に集まれる広い場所になっています。

入ってみると、正面に教会の中心となる「祭壇(さいだん)」があります。
式を司る司祭は、この祭壇で皆の祈りを神に捧げます。
特に、教会のいちばん大事な祈りである「ミサ」を、祭壇で捧げます。

祭壇のわきに「朗読台」があります。それは、聖書の朗読や説教をするところです。
また、祭壇に「十字架」が飾られていて、信者はそれに向かって敬意を表します。
イエスが皆のために命を捧げられたことを思い出すためです。

両側の壁には「十字架の道行(みちゆき)」の十四場面が飾られています。
キリストのご受難と復活の黙想をするためです。
また、マリアや他の聖人のご像や絵が飾られています。
キリストに倣い、模範的に神の教えを実行した人たちを思い出すためです。
もちろん、この方々は神ではありません。

洗礼を受ける場所もあります。「洗礼」とは、キリストに従って生きようとする人のための入信式です。
よく準備した上で、自分から望む方々は洗礼を受けることができます。
入口には水の入っている器があり、司祭の祈りで聖別された「聖水」が入っています。
教会に入る時、手の先を聖水に浸して「十字架のしるし」を切る習慣があります。
これは、神に心を清めていただきたいという気持ちを表すためです。

私たちは、教会を「聖堂」と呼ぶこともあります。
正しく言えば、本当の「教会」は建物ではなく、文字通り「教えの会」です。
教会建築の内部・外部の形は規定されていませんので、
場所と時代によって、さまざまな様式の教会建築が見られます

日曜日の礼拝、「ミサ」とは何ですか?

ミサとは、カトリック教会で行ういちばん大事な祈りです。
日曜日の他に、平日、また結婚式や葬儀などの大事な時にも行います。
司祭が司式し、信者とともにミサを捧げます。

ミサの由来は、キリストの最後の晩餐、イエスが死をむかえようとされた時にさかのぼります。
その時、十字架上での死を覚悟しておられたイエスは、食事の途中、パンとぶどう酒の杯を取り、
弟子に与えてこう言われました。
「これは、あなたがたのために渡される、私の体である。これは私の血である。私の記念として
これを行いなさい。」(ルカ22・19〜20参照)
その時以来、教会はキリストが命じたとおりに最後の晩餐の式を繰り返してきました。
それによってキリストの十字架上の死と復活とを記念し、私たちの救いのために命を捧げられたキリストに、
心を合わせるのです。
ミサの時、私たちは神からのすべての恵みに感謝を捧げます。
それで、ミサは「感謝の祭儀」とも呼ばれます。

ミサの前半は「聖書」が読まれ、「説教」が行われます。
日曜日に読まれる聖書の箇所は、原則として「旧約聖書」から一箇所と、「新約聖書」から
イエスの「使徒たちの文書」と、「福音書」からのそれぞれ一箇所です。
毎日曜日どんな箇所が読まれるかは、全世界の教会のために決まっています。
皆の便宜のため、その日の聖書朗読を印刷したものが準備されていますので、
教会の入口で「聖書と典礼」というパンフレットをもらってください。
また、ミサの祈りの順序が書いてある小冊子もあります。それを使えば、すぐに慣れるでしょう。
歌われる聖歌は、「典礼聖歌」や「カトリック聖歌集」などが備えてあります。
近くにいる方に教えてもらってください。

ミサの途中、皆が席を立って祭壇に進み、「聖体」である白いパンをいただきます。
洗礼を受けていない方は、神父に神の祝福を祈ってもらいます。
お望みならば、列に並んで前に進み、頭を下げ、手を合わせたまま祝福をいただいてください。



(ドン・ボスコ社:「はじめて教会にいらしたあなたに 改訂第2版」より一部抜粋)